昔の日本人が「働く」を「傍(はた:他人)を楽(らく)にする」と言ったように、
人の役に立つためには身を粉にして喜んで働くという伝統的な日本の勤労観です。
キリスト教文化では、エデンの園を追放されたアダムとイブが、苦しんで仕事をし続けなければならない
と宣告されたことから、仕事を苦行と見る考えがあるようです。
最近欧米では、FIRE (Financial Independence, Retire Early 経済的自立と早期リタイア)
を目指す人が増えています。
日本でもそういった若者が増えているようです。
問題は、仕事自体だけではなく、仕事の意味をどのようにとらえるかだと思います。
仕事、勤労は、働けることに感謝すること。
奴隷として働かされると考えるのではなく、
自分にも役割が与えられ、社会に貢献できる仕事ができると感謝して働く。
有名なフロイトは晩年、健康な人とは「愛することと働くことができる人」だと答えています。
そんな人が世の中に溢れたら、子供たちも大人を見る目が変わってくると思います。
一球一球のつみかさね 一打一打のつみかさね
一歩一歩のつみかさね 一坐一坐のつみかさね
一作一作のつみかさね 一念一念のつみかさね
つみかさねの上に 咲く花
つみかさねの果てに 熟する実
それは美しく尊く 真の光を放つ
坂村真民(仏教詩人)